INFORMAITION
■装備一覧・パッキング
装備一覧 | ||||
装備 | メーカー:製品名 | 備考 | ||
カヤック装備 | カヤック |
feathercraft | k1expedition | |
パドル |
WERNER | KAMANO | 230㎝ | |
バウハッチ |
ビール |
これがあるだけで一日の終わりが楽しい | ||
箱ワイン | 調理用に白ワイン | |||
水 | 2リットル×3 | |||
テント | アライテント | エアライズⅡ | ||
エアーマット | mont-bell | U.L.コンフォートシステムパッド180 | ||
スリーピングバック | mont-bell | スーパーストレッチダウンハガー#5 | ||
スリーピングカバー | mont-bell | ブリーズドライティックU.L.スリーピングカバー | ||
衣類 |
フリース、ジーパン、ベスト、ジャージ、Tシャツ×2、靴下×2、ロングシャツ、パンツ×2 | |||
ニット帽 |
ウール製 | |||
洗面用具 | mont-bell | トラベルキッドパックⅯ | 歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、髭剃り、トイレットペーパー | |
タオル | 奄美シーカヤックマラソンの懸賞 | |||
防水バック×2 | seattlesports | エクスプローラードライバックMD(20ℓ) | ||
スターンハッチ | バックパック | feathercraft | カヤック収納バック | |
食料 | バック×2 | 米、パスタ、食パン、インスタント味噌汁、ツナ缶etc… | ||
電子機器 | 外付HD、変圧器、電子辞書 | |||
各種充電器 | マリンVHF、デジカメ、携帯電話 | |||
コッヘル | snowpeak | SCS-010F | ||
ストーブ | MSR | ウィスパーライトインターナショナル | ||
燃料ボトル | MSR | 900㎖ | ||
ホワイトガソリン | 1/4ガロン×2 | |||
調味料 | クリアケース | 塩、砂糖、しょうゆ、オリーブオイル、ごま油、クレイジーソルト、ブラックペッパー、マヨネーズ、ジャム、蜂蜜 | ||
包丁 | 木屋 | 義久 | ||
ナイフ | snowpeak | フィールドサシミ | ||
防水バック | sea to summit | Dry sack 35L | ||
ノート | 航海日誌用 | |||
筆記用具 | ボールペン、シャーペン | |||
貴重品 | パスポート、国際免許証、カード類、印鑑 | |||
使い捨てコンタクトレンズ | coopervision | ワンデーアクエア | 3か月分 | |
ウエットスーツ | CHIKO | 5㎜ツーピースフード付き | ||
ウエットブーツ | GALL | μブーツ | 3㎜ | |
グローブ | Ocean Hunter | original | ||
フロート | チキンフロート | |||
フローティングロープ | 30m | |||
メグシ | Ocean Hunter | original | ||
短波ラジオ | Sony | DC-3V | ||
予備電池 | 単4×20 | ヘッドランプ、ラジオに使用 | ||
メッシュバック | ||||
修理キット | Boeshield T9、Aquaseal×2、Cotol-240、予備船体布各種、アーレンキー、針金、ダクトテープ | |||
コクピット内 | ブルーシート | タープ代わり | ||
私用していないチャート | 7枚 | |||
ウエイト | 7㎏ | |||
ナイフ | ダガータイプ | |||
カート部品 | feathercraft | パックカート | ||
デッキ | スペアパドル | feathercraft | cormoraant | 220cm |
ロングフィン | O.ME.R | Millennium | ||
水筒 | narugen | feathercraft original | ||
ビルジーポンプ | Scotty | ベクソンポンプ | ||
水中銃 | O.ME.R | Excariber100(改) | シャフトがrife:ero110 shortfin | |
防水ケース | PELICAN | 1400 | ||
一眼レフカメラ | nikon | D60 | ||
チャートケース | メーカー不明 | NZ製 | ||
チャート(海図) | ||||
ロードマップ | HEMA maps | North island | 日本で購入済み | |
ネットバック | Nanock | メッシュデッキバックⅬ | ||
釣具一式 | 手巻き仕掛け、ハリ、オモリ、予備ハリス | |||
行動食 | ||||
三脚 | 不明 | |||
マリンVHF | cobra | MR HH325 VP | ||
マスク+スノーケル | O.ME.R | alien | ||
防水バック | feathercraft | おまけのヤツ | ||
携帯電話 | プリペード式 | 現地購入 | ||
財布 | ||||
ファストエイドキッド | mont-bell | トラベルキッドパックS | ブッシュマスター(虫除け)、キンカン、マキュロン、リーブケア、三角巾、バンテリン、胃薬、風邪薬、バファリン、ビオフェルミンetc… | |
ヘッドランプ | Panasonic | BF-262-BP | ||
ライター | 2 | 海外の100円ライターはしょぼい | ||
軍手 | ||||
体 | PFD | Tracks | original | |
コンパクトデジタルカメラ | OLYMPAS | μ-1030 DIGITAL | ||
スプレースカート | feathercraft | ナイロン | ||
帽子 | KAVE | ストラップバケットハット | ||
サングラス | 現地購入 | |||
腕時計 | casio | Gshock frogman | ||
ショーツ | patagonia | リバーショーツ | ||
シャツ | patagonia | キャプリーン1 | ||
レインジャケット | mont-bell | レイントレッカー | ||
レインボトム | mont-bell | ストームクルーザー | ||
サンダル | vick | 便所サンダル |
■カヤックの輸送
今回僕は自分のカヤックをニュージーランドに輸送して遠征を行った。
リジットカヤックを輸送したり、現地で購入、もしくはレンタルする方法もあるだろうが、それらの方法は各自調べてもらい、ここでは僕が自分のk-1(ファルトボード)を送った方法を記しておく。
まず送り先があることが条件。僕の場合は知り合いが一応いたのでこれは了解を得て何とかなった。知り合いがいない場合は現地の旅行代理店か日本人旅行者向けのエージェント会社に問い合わせてみると良いかもしれない。
そして次が送り方。最初はヤマト運輸の国際宅急便を使用しようとしたが、料金がバカ高く付きそうで、送るk-1の値段から税関の問題がどうなるか不明だったので国際郵便で送ることにした。
国際郵便でオセアニア方面に送るのには最大30kgまで大丈夫とあった。その為僕は集荷の際にカヤックバックを30kgちょうどに合わせて託し、残りは手荷物として持っていくことにした。これが最安で13000円ほどで送ることが出来た(2008年8月当時)。
ただし現地に到着したのは船便の為に2カ月かかった。遠征計画に余裕がある人には良いが、あまり実用的ではない方法かもしれない。
復路はエージェント会社に委託し、日通関連の会社で送ってもらった。これは帰国してからすぐに届いたが、値段は3万円ほどかかった。
ちなみにAir new zealandの規定だと、僕のカヤックを手荷物で直接持っていくとなると、キャンプ道具を含む日用品とパドル類、カヤックの3点だとするとエコノミーの場合、23kg未満一個が無料なので2個追加で23kgを一つはオーバーすることを考慮し、下のサイトの表をみるとN$325+75=400となるようだ。あれ、意外と安いね…。
◆日本郵便 国際小包 http://www.post.japanpost.jp/int/service/i_parcel.html
◆ヤマト運輸 国際宅急便 http://www.kuronekoyamato.co.jp/kokusaitakkyubin/kokusaitakkyubin.html
◆日本通運 海外ペリカン便 http://www.nittsu.co.jp/sky/express/express_cargo/index.html#01
◆Air New zealand
http://www.airnewzealand.jp/
■食料
◎買い出し
ニュージーランドは大型チェーン店のスーパーが各町に一つは必ずある。例えるなら、「New World」、「Food town」、「PAK'n,SAVE」、「Fresh choice」などなど。やや小型になるが、地方の観光都市などには東洋人と思われるおじさんが看板の「フォースクエアー」などがある。だから食料の買い出しは街にさえ行けばとりあえずできる。
また、この国には多くの国からの移民が住んでいるので、スーパーに売っている食材も非常にバラエティーに富んでいて、何処の街のスーパーに行っても大概日本食品コーナーがあり、キッコーマンの醤油やキューピーのマヨネーズ、ハウスのカレールー、永谷園のお茶漬けまで買うことが出来る(だからわざわざ日本からこれらの食材を送ってくれる親族もいるみたいだが、送られてきた本人達はこの事実をいうか言うまいか悩むのだ…)。もちろん、値段は同じマヨネーズなら国内産の物よりは割高になるし、醤油(ソイソース)などは中国産や韓国産の物の方が安い。
また、大きな都市などにはチャイナマーケットがあるのでそこに行けば野菜や東洋の調味料が格安で手に入る。肉も西洋人があまり食べないような部位(内臓や粗など)が売っていて、僕のような人間には嬉しい限りだ。
◎今回のおもな食料
米(2kg×2)、パスタ(1kg)、食パン、シリアル、インスタントラーメン(5食)、マルコメインスタントみそ汁(12食×3)、玉葱(10個)、ニンニク(たくさん)、ツナ缶(5個)、サラミorランチョンミート、パスタソース、粉ミルク、粉チーズなど。
基本的に夕食は玉葱と肉、魚系の具、ニンニクの炊き込みご飯と+α、朝食が残った冷飯にインスタントの味噌汁をかけた猫飯、昼飯がラーメンかパスタであった。ただ、シリアル、食パンが好きなのでパンがある時は朝食はパンに蜂蜜やジャムを塗って、シリアルは粉ミルクと水を溶いて入れ食べていた。
魚が獲れた時は夕飯がだいぶゴウジャスになり、色々とおかずをアレンジした。魚を獲って食べることを前提にしていたので食料は炭水化物が中心になって貧素な感じになっているが、調味料は充実させた。
醤油、サラダ油、オリーブオイル、胡麻油、塩、砂糖、ブラックペッパー、クレイジーソルト、レモンジュース、マヨネーズ、イタリアンドレッシングなどで、これらは4Lくらいのクリアケースに入れて収納し、ほかにもジャム、蜂蜜、コーヒー豆、紅茶ティーパックなども入れていた。醤油と塩は他の調味料に比べると大量に持って行った。これは醤油はヅケに、、塩は獲った魚をジップロックと一緒に入れて塩漬けにするためである。水温が低いニュージーランドではカヤックに入れておけば3日はもった。
キングフィッシュの漬け
意外にもパン好きです
基本はチョコレートバーと、ファイバーバーで、他にリンゴやオレンジなどの果物を用意した。バナナはエネルギー効率的には良いのだが腐りやすいので止め、オレンジにしたのだが濡れると意外にも腐るのが早いので困った。その点、リンゴは嵩張るものの、モチは良かった。
チョコレートバーを一日3個、ファイバーバーを4個食べれる量を用意した。単調なパドリングでは行動食を頬張るのが楽しみの一つなので味もなるべく変えるように工夫した。ただ、ファイバーバーは物によっては胸やけが酷く、もっと消化に良いものが良いと思った。
比較的買い出しは多くできた(出発時点と、フィティアンガ、オークランド、パイヒア、ファーノース。ちょこちょことした買い食い程度はいろんな所でした)。その為、食料はだいたい一週間ぶんを持っているように心がけた。
■酒
タウポ湖で瓶ビールの王冠でスポンソンに穴を開けた失敗から、全て缶ビールにして荷物の隙間にいれてパッキングしていたのだが、フレームとの間に挟まって穴があいてビールまみれになる…という羽目にもあった。オークランドでは24缶ものビールを買ってしまい、そのうちパッキングしたのは20缶。これはさすがに多すぎた。
ちなみに僕はコストパフォーマンス的にはスパイツが一番好きだったが、よく飲んでいたのは一缶が80セントほどの安ビール、「ビックホーン」だ。日本の発泡酒のようにドライで安酒に慣れた日本人の僕にはちょうど良かった。
常飲していたBigHorn。とにかく安い。一番好きだったのはspring tide。
ビールとは別に、3Lの箱の白ワインを購入し、箱から出してビニールのタンクの状態でカヤックの先端に放り込んでいた。
晩酌に飲むのはもちろん、魚料理の調理酒として使いたかったので白にし
た。本来は赤が好きです。これをこの遠征では3つ購入した。
■水
2.5Lのコーラのペットボトルに二つ、1.5Lのペットボトルに一つ、計3つのペットボトルに入れて先端や隙間に入れて持ち歩いた。基本的にキャンプ場やホリデーパークを宿泊地に使っていたので水には殆ど困らなかった。ニュージーランドの水は水道水でも日本のように直接飲んでも大丈夫だ。
■充電
ニュージーランドは日本と電圧が違うし、プラグがO型なので日本の電化製品を使う際には変圧器を付けてさらに変換プラグを装着する必要が…あった。しかし今の電化製品はほとんど電圧の変化には対応してくれる。旅の中で充電が必要だった日本製の電化製品はデジカメ2種のみ(nikon:D60、ORYMPAS:μ-1030)だったが、これらは両方とも変圧器がいらず、μに至ってはこっちで購入したものだった(タウポで落としたので買い直した)。だからD60用に一つ変換プラグさえあれば充電は容易。
コンセントはホリデーパーク、バックパッカーに行けばあるが、DOCのキャンプ場にはまずない。むしろ無いモノとして考え、予備バッテリーやソーラー充電器を持ち歩くべきなのだろう。ホリデーパークにはコンセントが使えないようになっている場所もあるので受け付けの際に管理人に頼んだ方が得策かもしれない。
→詳細は■キャンプ事情参照
■地図
ニュージーランドはアウトドアショップが多いのでそこで周辺トランピングコースの地形図が購入できる。日本の国土地理院の地形図と同じく2万5千分の一と5万分の一地図があるし、縮尺もm表示なので問題なく使える。
アウトドアショップ以外にもマップ専門店もあり、このような店では海図も購入できる。
海図は他にもマリン用品店でも普通に購入可能なので日本よりも敷居が低くて買いやすいのが嬉しい。さすが世界一のセーリングの国である。ちなみにオークランドでいえば、シティの中心にある緑と馬のシンボルマークのナショナルバンクのビルの一階にマップショップがあり、ここはニュージー国内の地図をほとんどすべて購入可能である。
ただ、今は日本にいながらでも彼の国の海図は購入できるので遠征を考えている方は出発前に購入し、イメージトレーニングができるのでそれをお勧めします(若干値段は現地で買うより高くなるとは思いますが)。
■アウトドアショップ事情
ニュージーランド、犬も歩けばアウトドア関連ショップに当たる…といった感じです。大手のアウトドアショップから、メーカーのアンテナショップ、はたまた質屋や個人のガレージセールまで、色んなところ、場所でアウトドアギアが購入可能です。
オークランドでいえば、シティの中心、クィーンストリート沿いにも何軒かあるので特に問題はないと思います。
◆KATUMANDU:http://www.kathmandu.co.nz/
◆Macpac:http://www.macpac.co.nz/
◆R&R SPORT:http://www.rrsport.co.nz/
◆bivouac/outdoor:http://www.bivouac.co.nz/
◆Hunting & Fishing:http://www.huntingandfishing.co.nz/etc・・・
■燃料
MSRを使っている人に限って言えば、ガソリンはスタンドに行けばほとんどセルフなので赤ガスは簡単に手に入ります。ただ、アウトドアショップが多いニュージーランドではホワイトガソリンも街の雑貨屋、釣り具屋など、簡単に手に入ります。安全なキャップで閉じることが出来るボトルに入っているので保管も容易です。
僕の場合、長年の海辺での使用で錆が酷く、赤ガス仕様では不安があったので今回はホワイトガソリンに甘えました。
ホリデーパークで宿泊する際になるべくそちらの調理器具を使用したのでガソリンは1000km漕ぐ行程でだいたい2リッター半くらいしか使わなかったです。また、焚火ですが、NZでのホリデーパーク、キャンプ場での焚火はほとんどNGで、ファイアーサークルか特定の場所でのみ使用が出来る感じです。焚火で煮炊きが出来ればガソリンの消費を減らせるのでDOCのキャンプ場でできるところはよく行っていましたし、バックカントリーならなおさらです。ホリデーパークではコンロが置いてあるのでそれを普通に使ってました。
■キャンプ場事情
ニュージーランドでキャンプ場というと、大きく分けて2種類ある。
一つは民間のホリデーパークと言われるキャンプ場。もう一つは国の機関であるDOC(Department of Conservation)日本風に直訳すると自然保護省といった環境省と林野庁が一緒になったような機関が管理しているキャンプ場がある。
これらの違いはホリデーパークが自動車旅行者を主に対象にして電気が取れるパワーサイト、他にキャンピングカーが固定されているオンサイトキャラバン、プレハブ小屋のような個室のキャビンなどが何もないノンパワーサイトの他にあるのに対し、DOCのの方はトランピングなどのバックパッカーを対象にしているため、簡易トイレとたまにシャワーがあるのみ…といったキャンプ場になる。ただ、例外もあってDOCの方は車泊に対応したキャンプ場もある。
他にもオークランドなど、地方行政が運営するキャンプ場などもある。
ホリデーパークはノンパワーサイトで一泊一人$10~$20で、バックパッカー並みに値が張る場所もある。DOCの方は$0~$15といったところで、ホリデーパークは最初に受付でお金を払いサイト使用許可みたいなものを受け取らなければならないのだが、DOCの場合は自主申告制か、翌朝レンジャーが見回りに来て料金を徴収しに来る。ここだけの話、地元のkiwiもほとんど払わない人が多い。僕もよほど気に行ったキャンプサイトでない限り無銭泊でとおした。
だが、場所によって(特に南島)はれっきとしたFree Siteもある。
南島では時折見かけたfree site
バックパッカーの中には庭などにテントを張らせてもらえるところもあり、値段も若干安くなることが多い。施設はそのまま使えるのでテント泊で個室を得られる分、かなり得な方法だと言える。まぁ、ベッド泊の方が良いと思う人もいるとは思いますが。
ホリデーパーク | DOC camping ground | |
値段 | $10~$20 | タダ~$15 |
管理者 | 民間 | 国 |
電気 | 〇 | × |
売店 | 〇 | × |
トイレ | 〇 | 〇 |
シャワー | 〇 (ただし有料) |
△ (場所による。水シャワー) |
ゴミ捨て場 | 〇 | △ (たいてい無) |
今回の遠征ではなるべくキャンプ場を利用した。できることならバックカントリーの更地にテントを張る方が良かったのだが、海岸線が全て国の物である日本と違い、ニュージーランドは民間の所有地であることが多い。その為に利用許可などが必要で、妙ないざこざを避ける為にビバークは極力キャンプ場を使用することにし、キャンプ場を繋ぐような格好で旅を続けた。
ニュージーランドはキャンプ場がホリデーパークにしろ、DOCであるにしろ等間隔で海岸線にあるのでむしろ自然な成り行きだった。
また、今回は使用しなかった(できなかった)が、Hut(ハット・山小屋)を使用することもできる。南島ではマナポウリ湖を漕いでいる時に利用させてもらった。北島での遠征行程の中ではWhangaroa HbrとCavalli IslandsのMotukawanui Islandに存在し、事前に予約すれば使用することが出来る。ハットはトランピング(トレッキング)する際の方が利用することが多いのでここでは利用の仕方は割合します。
■海釣り
ニュージーランドの海では淡水での細かいライセンスに比べると非常にルーズなルールで釣りが出来る。特にライセンスは要らず、かってに行うことが出来るのだ。
ただし、魚種ごとの捕獲可能サイズと捕獲可能数が決まっており、それを破った場合、恐ろしい罰金と釣り用の財産没収がまっているので注意。どこで見張られているかわかりません…。
代表的な魚の規定を下記にまとめておきます。詳細は以下のサイトを見てください。
種類 | 可能サイズ | キープ数 |
マダイ(snapper) | 27㎝以上 | |
ヒラマサ(kingfish) | 70㎝以上 | 3尾以内 |
ブルーコッド(blue cod) | 30㎝以上 ※1 | |
カーワイ(kahuwai) | なし ※2 | なし ※2 |
釣り自体はほとんどがルアーですが、餌釣りも盛んです。ゴッついラインと馬鹿でかいフック、魚の切り身などの餌で狙うダイナミックな男の釣り、悪く言えばただのブっこみ釣り仕掛けでの安易で単純なものが主流です。
※2 近年、規制を作ろうとする運動もあるようです。
■魚突き
ニュージーランドでは特に魚突きに対する禁止項目はなく、ダイビング客などはスキューバーでの魚突きも可能である。
ただ、魚の漁獲規定は釣りと同じなのでリリースできない分、その制約は自己規制が強くなければならない。地元でも多くの場合、タンクでの魚突きは邪道で、素潜りによるスキンダイビングでの魚突きが主流なようだ。
僕はオークランドシティに長いこと居たのでこの地にあるショップ「Ocean Hunter」をよく利用していた。日本ではまず考えられない魚突き専門ショップで、水中銃からウエットスーツ、ロングフィンなどが手に入る。ショップのスタッフも毎週のように海に行って魚突きを楽しんでいるのでその情報量はハンパない。日本の釣り具屋のような感覚で魚突きをポイントなどを教えてもらえる。僕が行った時などはパソコンでグーグルアースを開き、それを見ながら詳細なポイントを説明してもらい、プリントアウトまでしてくれた。常連だったので道具の購入の際には色々とサービスもしてくれて非常に良心的である。この国で魚突きをやりたい方、やってみたい方は是非訪ねてみてください。
■天候情報
遠征中の天候予測はほとんど観天望気に頼っていた。そして人に会う度に天気がどうなるか聞きまくっていた。ホリデーパークにいる時はテレビの天気予報を見たり、新聞の天気予報をチェックし、DOCの時はレンジャーに尋ねていた。ネットカフェに行けたり、バックパッカーに泊まる時などはネットで天気予報を確認した。下記に使用したサイトを書いておく。
ニュージーランドのマリンレジャーでは釣り人も、カヤッカーも、スピアフィッシャーマンも、そしてサーファーもこのサイトを見ていた。
日本で言う「波伝説」と同じようなサイトだが、具体的な現地の波の状況、うねりの方向、風がわかるので素晴らしい。
ちなみにDOCの事務所があるようなビジターセンターだと、レンジャーがその日と翌日、だいたいの週間天気予報と天気図を張り出している。北島の沿岸を漕いでいる時はそのような場所がなかったので使えなかったが、南島ではかなり有益な情報だった。基本的にグレートウォークなどのトランピングコースがある場所にあって、標高ごとの風や気温が出ているので非常にありがたい情報源だ。
■エマージェンシー
◆マリンVHF
知り合いからはしきりにGPS機能付きEPIRBs(イーパブ)を薦められたが、必要ないと考え使用しなかった。命を買うと思えば安い買い物かもしれないが、それほどの遠征とも思えなかったし、それにしても値段が高すぎた。スポンサーがつく遠征ならまだしも個人が行う遠征にはオーバーワークな気がしたし、同じ大金を払うならGPSを買った方が実益的だ。しかしコースタルカヤッキングでGPSは使用したくない。これはもはや遠征に対する個人のやりかたの問題だ。
僕はそれよりも事前に情報を集めたり、こちらから発信できるVHF無線機を購入、使用することにした。日本で言うマリンVHFである。
日本のカヤック業界では馴染みがなく、一部の北米など海外遠征に出る人が持っているくらいのこのラジオだが、世界的には海を航海するうえでは「当たり前に」携帯するラジオである。日本でカヤッカーに何故使われないのかはここでは置いといて、ニュージーランドでのこのラジオの購入の仕方と使用方法を簡単に説明しようと思う。
VHFをこちらで使用するには、2つの資格が必要で、それはラジオ自体を使う資格、そして緊急時に16チャンネルから発信するコールサインを取る資格である。でもこれはニュージーランドの場合、同時に取ることになる。
年に何回か、各地のコーストガードの事務所にて講習会と試験を兼ねた集まりがあり、そこで午前中に講義を受け、午後から試験を受けてその場で合格通知をもらい、あとからコールサインが輸送される…という運びである。
まず、基本的なVHFの用途だが、このラジオを使うと各地の気象情報がチャンネルを合わせると聞け、まわりの船舶と交信することができる。だからカヤックガイドがお互い距離が離れても連絡し合うことが出来るし、近くを航行中の船舶に自分の存在を知らせることもできる。コーストガードや地元ヨットサークルなどが発信する気象予報を聞くことができ、まさにカヤック遠征にはぴったりの道具だ。
何より一番大切なのがコールサイン。緊急信号である「MAYDAY」を発信する際、自分のコールサインを伝えることですぐに何処の誰の何という船かがわかるのである。これは国際的なものではなく、その地域限定にはなるのだが、ニュージーランド近海で使うにはそのコールサインを得れば事足りる。この「MAYDAY」を送るのが先ほど出てきた16チャンネルである。
僕の場合、まずニュージーランドのコーストガードのホームページを見て、マリンVHFの講習が近場で何時行われるかを確認し、2008年12月の半ばにオークランドのコーストガードオフィスで行われることを知った。担当者にメールし、予約をすると当日に決められた時間に行けばいい。
先ほども書いたように午前中は講義を聞き、日本の海上特殊無線と同じで無線の種類、機械の種類構造、MAYDAYの送り方を教えてもらい、午後からは試験をして学科に受かれば、その後試験官と使い方の確認をして、合格となる。英語がはっきりいってできない僕ですら何とか取ることが出来たので、興味がある方は是非当地の遠征の前に取っておくと良いだろう。試験もかなり答えをなんとなく教えてくれるので嬉しい。とにかく無線を持たないで海に行かれるよりは、資格を取ってもらい、海難事故を減らしたいというのが本音なのだろう。
ちなみに僕はこの遠征中、自分のVHFは使用することはなかった。使ったのは南島のKASKフォーラムの講義の時だけだった。今僕の手元にはない(壊れてしまったので…)。また買い直しである。
◆その他
他には反射板、鏡、ホイッスルなどを携帯していた。
日本国内では携帯が違法になるフレアーなど、良い機会だから購入しておきたかったが、これはすっかり存在を忘れていた。日本のシーカヤッカーって、他の船舶と比べて本当にレスキュー機材をあまり携帯できないのだな~と思い、うすら怖い感じもする。携帯電話がGPS機能の付いているものがあるとはいえ、携帯電話に依存し過ぎるというのも怖いものだ。